月刊アッセンブリーNews　2025年 12月号

「永遠の救い主」

　岡山志伸　Shinobu Okayama
　あすみが丘福音キリスト教会(千葉県)

クリスマス…それは、神が人となってこの地に来られたことをお祝いする特別な日です。私たちはこの時季、ベツレヘムの静かな夜に誕生した御み子こイエス様を心に思い過ごします。

　街はクリスマスの華はなやかさに包まれますが、教会では、主のご降誕を称たたえる賛美が響ひびきわたり、聖書のみ言葉が高らかに語られ、祝い集う人々が一つとなって心からの祈りをささげます。

　なぜ、私たちはこれほどまでにクリスマスを喜ぶのでしょうか。それは、この祝福の本質が「永遠の救い」という時空を超こ えて続く、神の愛と恵みにあるからではないでしょうか。聖書には「イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です」（ヘブライ13・８、新共同訳）とあります。神様は、二千年前のキリスト降誕の出来事を通して私たちの心に今も変わらず語りかけておられます。

　永遠なるキリストは、創世の初めから存在され、神の御子として世に遣つかわされたお方です。家か 畜ちく小屋で謙けん遜そんをまとって生まれ、十字架の使命に生き、救いの道を開いてくださいました。

　そして、今もキリストは、十字架と復活を通して生きて働き、人々を救いに導き、ともに歩んでくださいます。求める者に真理を、歩む者に確かな信仰を与あ たえ養ってくださるお方です。

　さらにキリストは、永遠に続く御み 国くにに向かって私たちを導かれ、再び来られる約束の主として、私たちの信仰を完成へと至らせてくださるお方です。主こそが、私たちの真の希望なのです。

　思い起こせば、私がクリスマスをイエス・キリストの誕生日だと知ったのは、小学校３、４年生の頃ころです。家でクリスマスケーキをほおばっていた時のことです。無神論者の父は、そんな私に不ふ機き嫌げんな表情で「クリスマスはキリストの誕生日なんだぞ」と言い放ちました。拒きょ絶ぜつするつもりのその一言は、幼心にも衝しょうげきてき撃的でした。神様は逆説的な形でクリスマスの真実を、私に教えてくださったのです。

　また、中学生の頃に近くの公園で、路ろ傍ぼう伝道をされている牧師先生から伝道を受けた思い出があります。最後に天を仰あおいで私の救いのために祈ってくれましたが、初めて聞くその祈りは、御み使つかいが舞ま う天に真直ぐに届いているようで、心に深く残りました。

　そういったいくつかの心の風景は神の救いに至る道備えであったと振ふ り返ります。後にキリスト教に否定的な両親も救いを受け、今は天に召されました。イエス・キリストの存在すべてが永遠の望みへと私たちを導いてくださることに感謝です。

　「永遠の救い主」である御子イエス様は、歴史の中で一度現れた存在だけでなく、すべての世代の人々への神の恵みです。時代が変わり、価値観が揺ゆ れ動き、様々な状況の変化が起こっても、イエス・キリストは変わりません。

　この度、アッセンブリー誌は終刊を迎むかえ、移りゆく時代を静かに見つめる思いですが、新たな歩みの中でも主の恵みは豊かに注ぎ続けられると信じます。御子イエス様に心からの感謝をささげます！