《福音》恵みのおとずれ 1997年 12月号

 クリスマス!と聞くと、あなたの耳に何が聞こえ、あなたの目に何が見え、そして、あなたの心には何が思い浮かぶでしょうか?

 実は、この問いにあなたがどんな答を持っているかによって、今年のクリスマスが、あなたの将来、いや永遠に関する素敵なクリスマスになるかもしれません。

 と言うのは、聖書の中でイエス・キリストは次のような言葉を語っています。「あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです。」と。

 ある人たちは、もしかしたら「今年こそクリスマス商品を売って儲けてやるぞ!。」「今年は、あの人と二人きりでクリスマスを迎えたい。」「今年は早めにチケットを取って」……とクリスマスに向けて、何かにはやる気持が、その人の心の中心にあるかもしれません。

 しかし、かつて英国で学んでいた頃、その町の人々は日本の人々とはだいぶ違う様子でした。ひと言で言うと、実にシンプルで、あまり派手な、商業ビジネス的な妙な明るさが入り込めません。その代りに何か高貴な、世の暗闇にひと筋の光が灯るような、暖かい言い知れない輝きがありました。夕方5時を前に、多くの店や職場は次々と閉じられ、人々は家に急ぎ足で帰るのです。しかし、各家庭には本当に美しくデコレーションが飾られ、それらはまるで何かを待ち望み、人々の心を慰め、希望を与えている様でした。

 その頃、これはただの文化や雰囲気の違いというより、もっと深い心の中に何か決定的な違いがあるのでは?と意識したことを忘れることができません。クリスマスの日に、ある教会で「誕生者の不在のパーティー」というタイトルのメッセージを聞き、あの意識した決定的違いが何だったのかがようやくわかりました。

 「この方(イエス・キリスト)を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった。」と最高のプレゼントが用意されているのです。
  ヨハネの福音書1章12節

 「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」
  ルカの福音書2章14節

 今年のクリスマスに、神様から最高のプレゼントをお受け取りください。

文・天野 弘昌