月刊アッセンブリーNews　2024年 12月号

「インマヌエル 神われらとともに【マタイ1:23】」

　福森トシ子 Toshiko Fukumori
　神居キリスト教会(北海道)

　人は支え合い、助け合いながら生きるように創造されています。繋(つな)がりなしには生きられない存在です。最初の人アダムとエバは、創造主と共に喜びの国エデンに住んでいました。神さまに愛され、神さまと語り合う豊かな交わりと親密な繋がりの中、平安と喜びがありました。

　しかし、この関係を妬(ねた)むサタンの誘ゆう惑わくにのせられ、人間のみに与えられた尊厳である自由意志で神さまに背いてしまいました。人はエデンの園から追放され、「地上をさまよい歩くさすらい人」（創世記４:14）となり、創造主とのつながりが切れてしまったのです。

　60年前、私も「さすらい人」でした。両親と７人兄弟と馬、犬、猫、にわとり、仏壇と神棚と共に住んでいましたが、私の心はさびしく、空しく、どこを向いて歩けばよいか分かりませんでした。不知火海(しらぬいかい)（九州西部にある八代海の別称）を臨みながら「白鳥は 悲しからずや 空の青 海の青にも 染まずただよう」と涙しました。夜になれば満天の星空を見上げながら、「お星さまたすけて」と叫んでいました。

　２千年前、キリストはベツレヘムの家畜小屋で生まれました。東方の博士たちは、しるしの星が昇るのを見て、約束された救い主と認め、星に導かれ、宝物をささげて礼拝しました。その名は「インマヌエル……神は私たちとともにおられる」（マタイ１:23、新改訳第三版）です。神さまご自身が天から人となって降りて来て、共に住み、人とのつながりを回復されました。何という大きな喜びでしょう。

　高校２年生の時、救い主は、八代シャロン教会（現シャロンキリスト教会）の中村政春先生を通して私のところに来てくださいました。私は創造主とつながり、力と喜びが溢(あふ)れてきました。

　私のさすらいの旅は終わり、使命に生きる者と変えられました。この方を伝えなければ災いだと感じ、高校にも伝道のために行き、学びました。友人に伝道し、４名の友人が洗礼を受け、在学していた３年で、10名もの人が信仰を持ちました。八代の実家では母の反対が激しくなり、家にいることができないほどでした。母は、自分の葬式は仏式で、と言い続けていましたが、88 歳で召される40日前に洗礼を受け、弟の協力でキリスト教式で葬式を行うことができました。

　これを通して兄弟一同が聖書に耳を傾けるようになり、２人の姉と甥(おい)が洗礼を受けました。兄弟全員が洗礼を受けるようにと祈っています。また教会でも信徒の親に伝道するように勧すすめ、信徒のほとんどの親が信仰を持ち、キリスト教式で葬式を行うことができました。福森師の父も洗礼を受け、姉、姪(めい)、兄夫婦も洗礼を受けました。

　極寒の旭川でも、温暖な八代でもインマヌエルの神は宣教する者と共にいてくださり、働きを進めてくださるお方です。