<巻頭言>
『忘れる者を忘れない』
長澤牧人 Makito Nagasawa
教育局長・国際関係室長 熊本聖書教会(熊本県)

<INDEX>
- 特集 主に仕える(12)
「ダチョウが主に変えられて」
知念 聖 沖縄中央アッセンブリ教会(沖縄県) - 母の日message 「思いめぐらす」
平松恵子 桶狭間キリスト教会(愛知県) - 【信徒のお証】 母の涙の祈り
百道シンフォニー伝道所 教会員(福岡県) - 私の聖書⑬ 「心に書き記された聖書」
横山唯一 志村キリスト教会(東京都) - ご存じですか?❝準教師❞
澁谷友光 準教師認可委員長 青森キリスト教会(青森県) - 一つになって 伝道所のために祈ろう㉖
釜石開拓 釜石アメイジング グレイスセンター
吉岡敬蔵 (岩手県)https://fellowship.j-ag.org/2025/05/01/be-one-kamaishi/
- レポート CBC入学式
高木謙次 中央聖書神学校講師 天塚キリスト教会(愛知県) - 教団の動き④
事務局長 三箇義生 - 《召天》故・大村勝治先生の思い出
力丸嗣夫 引退教師
『忘れる者を忘れない』
長澤牧人 Makito Nagasawa
教育局長・国際関係室長 熊本聖書教会(熊本県)
「女が自分の乳飲み子を忘れるだろうか。自分の胎内の子を憐あわれまずにいられようか。たとえ、女たちが忘れても私はあなたを忘れない」(イザヤ49:15 聖書協会共同訳)。
脳は身体の一部です。体が衰えるのと同様に、少しずつ脳も衰えていきます。そのため、認知症の問題が出てきます。
認知症になれば、礼拝に来られなくなるかもしれません。家族の名前、また家族であることすらも忘れてしまいます。信仰を持っていることや神さまのことも、忘れてしまうかもしれません。
認知症になって神さまのことを忘れたらどうなるのでしょうか? 救いを失うのでしょうか? その答えが御言葉です。私たちは神さまを忘れるかもしれません。しかし、神は私たちを忘れません。神さまは忘れる者を忘れないのです。
ビートたけしの番組で、あるご夫婦が紹介されました。妻が認知症になった夫婦の実話です。夫は施設に入った妻を、定期的に訪問します。その時に、必ずバラを一本持って行きます。すると、奥さんはとても喜ぶそうです。
しかし、次に施設に行くと、奥さんは前回の訪問の時に夫がバラを持ってきてくれたことを忘れています。それだけでなく、夫であることも忘れています。それでも、夫は雨の日も雪の日も、どのような時であっても、通い続けました。
ある時、看護師はそんな夫を見て、かわいそうに思い、次のように言いました。「これだけのことをご主人がしてあげても、奥さんは忘れてしまいます。ご主人が傷つくだけじゃないですか? そろそろバラの花を持ってくるのを、止めてもいいんじゃないでしょうか?」
ところが、夫はうれしそうに答えました。「確かに、妻は私のことも、私がしてあげていることも忘れています。ですが、それでもいいんです。私は妻を忘れないから。私が妻を覚えています。それが喜びなんです」。
認知症になっても安心してください。私たちがキリスト者であるのは、私たちが神さまを忘れないからではなく、神さまが私たちを忘れないからです。救いの保証は、私たちが神さまを忘れても、忘れる者を忘れない神さまの愛にあるのです。










