《福音》恵みのおとずれ 1998年 6月号

ある人が庭造りをして、そこに芝生を植えました。ところが芝生が生えてくると、それと一緒にタンポポが生えてきました。タンポポを抜いても、あとからあとからタンポポが出てくるので困ってしまい、専門家に手紙を出しました。「どうしたらタンポポ退治ができますか?」しばらくして返事が来ました。「あなたは、タンポポを愛することを学んだらどうでしょう。」

私たちは、いろいろな人間関係の中で生きていて、だれ一人、一人ぽっちで生きていける人はいない時代です。学校や職場の中で、また家庭、隣り近所とのつきあい。けれども時として、受け入れがたく思える人や出来事に遭遇することがあります。あの人さえいなければ、あのことさえなければ、…人生のいやなことを消せる消しゴムがあったらと思うこともあるかもしれませんね。

聖書の中に
「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」
と言うイエス・キリストが語られた言葉があります。簡単にできそうで隣人を愛することはむずかしい課題かもしれません。けれども、自分の力では愛することはできないと、どうかあきらめないで下さい。愛のみなもとであるイエス様が、私たちにおしみなく愛をあたえて下さいます。「イエス様、あの人を愛せるように助けて下さい。」と一言でも良いですから祈ってみて下さい。イエス様はご自分を呼び求める者を助けることの出来る、力のある生きた真の神様だからです。
愛された者こそ、愛することができます。一番身近な隣人すら愛することのむずかしい私たち、まずイエス様からたくさんの愛を受けて、隣人を愛せる者に造り替えていただきましょう。いやだ、いやだと思っていると、ますますいやになってしまうかもしれません。でも見方を変えて、ほんのすこしずつからでも良い所を見つけ、愛することを始めて行くなら、まず私たちの心に変化がおこり、私が変ることによって、まわりも変っていくでしょう。
まず、あなたのタンポポを愛することから始めてみませんか!
文・阿部 栄子