<巻頭メッセージ>
「土地の問題」
堀川 寛 Hiroshi Horikawa
中国教区長 広島基督教会(広島県)
<INDEX>
- 解説 アッセンブリー宣言2024
野口一郎 教団理事 企画室長 大津キリスト教会(滋賀県) - 教会はいつでも 宣教協力②
釧路神愛キリスト教会と北見神愛キリスト教会が、
最果てのオホーツク地域で伝道礼拝を捧げています。 - ユース Youth サイコ― Vol.5 『話がちがう!』Part2
平松若樹 高槻キリスト教会(大阪府) - 「主が建てられる」 教団本部施設建築事業⑩
細井 眞 教団本部施設建築委員長 教団本部施設建築募金推進委員長
十條キリスト教会(東京都)
- 教区長コラム 笑顔が溢れる関西教区 すきやねん
生武嗣幸 関西教区長 姫路キリスト教会(兵庫県) - 救いと受洗の証し❷ 祈りに応えられる主
横須賀キリスト教会員(神奈川県) - 3月31日に引退 その③
–主の臨在の中で喜び仕えた牧師 榎本勝夫師 武石喜光 つくば栄光キリスト伝道所(茨城県)
–「よくやった忠実なしもべだ」山田隆子先生ご隠退 玉川吉昭 ベテルキリスト教会(埼玉県) - 召天 ロジャー・パーキンズ先生の召天に想う
菊地和博 浜松キリスト教会(静岡県) - 教団の動き㉗ 総務部長 天野弘昌
- 中央聖書神学校(CBC)掲示板
「土地の問題」
堀川 寛 Hiroshi Horikawa
中国教区長 広島基督教会(広島県)
ご存じのように、いま日本のキリスト教会は危機的状況にあります。このまま行くと、2050年までに教会数、信徒数は半減すると見られています。なぜこのようになってしまったのか。また、どうすれば再び増加に転じることができるのか、牧師たちは祈りながら考え、また集まって検討を重ねています。私ももちろん危機感を感じていますが、心のどこかでは「きっと神様が何とかしてくださるはずだ」と信じています。
イエス様の有名なたとえ話に「四つの種のたとえ」あるいは「種まく人のたとえ」と呼ばれているお話があります。農夫が種を蒔くのだけれど、ある種は「道端」に落ちて鳥に食べられ、別の種は「土の少ない所」に落ちたので芽を出してすぐに枯れ、他の種は「茨の間」に落ちたので成長しきれず終わってしまった。しかし、ある種は「良い土地」に落ちたので「実を結んで、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍にもなった」(マタイ13:8、新共同訳)というのです。お分かりのように、このたとえ話の肝(きも)は、実りをもたらすのは種ではなく蒔かれた場所、あるいは土地である、という点にあります。種は福音のこと、土地とはそれを受け入れる人々の心のことです。つまり、人々の心が耕されていなければ、いくら福音の種を蒔いても実は結ばないよ、とイエス様はおっしゃったのです。
この国でもかつて福音が実を結び、一度に多くの人たちが救われた時期がありました。最初は戦国時代。半世紀ほどの間に数十万人の人たちがクリスチャン(当時はキリシタン)になったと言われています。2度目は明治時代。こちらも40年ほどの間に90以上のミッションスクールが生まれ、毎年数千人の若者が信仰を持ち、世の中に出ていきました。3度目は第二次世界大戦の敗戦後。海外から大勢の宣教師が来日し、現在のキリスト教会の礎(いしずえ)が築かれました。
いずれもこの国の大変革期であり、人々の心が混乱と不安に満ちていた時代です。心が耕され、「良い土地」であったのです。
4度目の「良い土地」状態がいつ起こるのか分かりませんが、その時を期待しつつ何とか教会を維持し、祈り続けたいと思います。