<巻頭メッセージ>
「収穫の主」

 小笠原和枝 Kazue Ogasawara
 御影神愛キリスト教会(兵庫県)ろう者伝道師

<INDEX>

  • 近代ペンテコステ運動と日本アッセンブリー教団の誕生 ③
    鈴木正和 中央聖書神学校講師 単立 水場コミュニティチャーチ(東京都)
  • 価値観 第8回 世の中VS神の国
    「金持ちになるには誘惑が多い」
    柏崎久雄 千葉福音キリスト教会(千葉県府)
  • 教会賛美 ~古代より現代までⅢ
    玉川吉昭 ベテルキリスト教会(埼玉県) 
  • 紹介 ろう者伝道部 第6回世界アッセンブリーろう者大会
     井桁正巳 ろう者伝道部長 徳島神召キリスト教会(徳島県)
  • 子育てを楽しんでいますか? 2
    武蔵野基督教会付属 聖泉幼稚園主任 武蔵野基督教会員(東京都)
  • 教団75年史編纂委員会
    野口一郎 教団75年史編纂委員会 大津キリスト教会(滋賀県)
  • 新規加入教職レポ 主の御霊に導かれて
    千代美智子 福岡町キリスト伝道所(富山県)
  • 召天 菊山和夫師の召天を想う
     久保田 潔 杉田キリスト教会(神奈川県) 
  • 教団の動き⑳ 総務局長 天野弘昌
  • 新刊のご案内 「聖霊のバプテスマの恵み」 
    野口一郎 企画室長 大津キリスト教会(滋賀県)

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「収穫の主」

 小笠原和枝 Kazue Ogasawara
 御影神愛キリスト教会(兵庫県)ろう者伝道師

 「収穫は多いが、働き人が少ない。だから、収穫の主に願って、その収穫のために働き人を送り出すようにしてもらいなさい」(マタイ9:37、38、口語訳)

 主を褒(ほ)め称(たた)えます。現在、私たちの教団のろう者伝道師は10 名になりました。心から主に感謝しています。さて、皆さんは、なぜろう者伝道師が必要だと思いますか。

 日本のろう者は約39万人と言われ、手話を第一言語としています。手話は、ろう者の生活から生み出された言語で、手や体の動き等で表現し、それをつなげていくことでコミュニケーションをとります。同じ表現でも表情や口形、位置や方向で違う意味を持つこともあります。手話には2種類あり、ろう者の多くが使う日本手話と、日本語の文法にあわせた日本語対応手話があります。また手話だけでなく、身振り・口語(はっきり口を開けて話したり、読み取る)などもあります。

 手話を上手に使う健聴者(けんちょうしゃ)はたくさんいますが、より良いコミュニケーションがとれるとは限りません。そこには健聴者の文化と違う「ろう文化」があるからです。

 ろう者聖書学校に入学した際、ある先生が「ろう文化として、手話は一つの言語であり、ろうは障害ではなく、個性である」と言われました。また聖書のろう者観として、ろう者は「①神の創造された者、②神の愛と救いを受ける者、③神の栄光を現す証人」であるということ、花に色々な色があるように神様は個性を与え、みんな良いとされたのだから、ろう者一人ひとりにも素晴らしい神様の計画があることを教えてくださいました。

 ろう文化で生きる人々に福音を届けるには、同じ文化で育ってきた者がその言語である手話を用いて伝道する必要性があります。だから、ろう者伝道師が必要なのです。しかし、それだけでは宣教の拡大はありません。

 私は「いつでも」、「どこでも」、「誰とでも」、手話で通じ合い、つながる社会を願って10年以上前から、毎年小学校の社会福祉授業で「聞こえないってどんなこと?」についてお話をしています。地域社会で生活するろう者に良きおとずれを伝えるために、ろう者伝道師だけではなく、全ての信徒が心を一つにして、ろう者の魂の救いのためにお祈りください。そのために健聴者の皆さんも手話をもっと学んでくだされば幸いです。

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