月刊アッセンブリーNews 第718号 2015/7/1発行より
「クロノス」◄►「カイロス」
日本語で「時」と言うと、流れゆく時間を意味する一方、特定の瞬間や出来事を意味することもありますが、聖書ギリシャ語(コイネーギリシャ語)では、それぞれを表す二つの単語があります。
一つはクロノス(χρόνος)で、一般的に「時間の幅」を表し、期間や時期を意味します。例えばマタイ24章48節においてはクロノスと同じ語源の動詞が使われており、「主人は遅い」と訳されている通り、主人の帰る時間までの幅がある、帰りの時期が遅れることを意味します。
もう一つの単語はカイロス(καιρός)です。これは、「決定的・重大な時」という意味で用いられており、特に神によって定められた時ということを暗に意味する場合があります。例を挙げると、ローマ13章11節の冒頭「あなたがたは、今がどんな時(カイロス)であるかを知っています」というのは、世相を表す時代を知っているというよりも、神の計画の中における時が来ている、つまり終末が近づいているので一層 愛によって熱心に働くべき時が来ていることを知っているのだから、と励ましているわけです。
ペンテコステ派に属する私たちにとって、神が導かれる「時」というものは体験的に知っているものでしょう。御霊に促されて祈ったり、賛美したりというのも神の「時」と言えます。礼拝がどれくらいの長さなのかという時間も気になることがありますが、礼拝の中で神が定められ、私たちに語っておられる「時」を見逃さないようにしたいものです
*参考
「クロノス」Ⅱテモテ1・9「永遠の昔」など
「カイロス」Iコリント4・5「先走って(時の前に)」など