vol.27- column『SPOILED CAT(スポイルド キャット)』

《福音》恵みのおとずれ 1998年9月号

2年前の夏、ホームステイしていたアメリ力人の学生が、我が家の猫のみーちゃんのことをSPOILED CAT(スポイルド キャット)と呼んでいました。“SPOIL” というのは、「甘やかしてだめにする」という意味があるそうです。ネコを飼ったのは初めてなので、ついネコっかわいがりして spoil してしまったようです。もう手遅れだと思っていたら、最近の引っ越しで、意外としつければ変わるんだという事が分かってきました。

 1 0数年前、私は中学校の教員をしていました。その当時は校内暴力が問題になっていた頃で、空き時間はいつもパトロールをして、逃げた(?)生徒を探してばかりいました。確かその当時、子どもを叱る時には中途半端に叱ってはいけない、子どもが悪かったと反省するまで徹底的に叱りなさい、と教えられた記憶があります。もともと私は温厚な性格なので(笑)、人に対して怒るとか、気持を荒立てるということはあまり無かったのですが、クラス担任となるとそれでは済まされません。叱らなくてはいけない多くの時、職員室から教室までの長い階段を昇りながら、「さあ今から怒るぞ、怒るぞ、怒るぞ~」と気持を盛り上げて子どもたちの所に向かったものでした。

 ある時、クラスの男子全員で一人の男子生徒を仲間外れにするという事件が起こりました。いじめたくなる彼らの気持も分からないではないという状況の中、リーダー格の男子からひととおりの事情を聞いた後、「でも全員で一人をいじめるのは卑怯なことではないのか。私はあなたたちにそんな卑怯者にはなってほしくない」と、別に感情を激することもなく、非常に淡々とそんなことを言った覚えがあります。彼にはそれで十分でした。その日から、仲間外れはピタッとなくなったのです。

 古き良き時代だったのかしら。やっぱり、叱る、指導するって難しい、そう思います。

 

キリストのことばを、あなたがたのうちに豊かに住まわせ、知恵を尽くして互いに教え、互いに戒め…なさい。 

聖書

(文・細川 るり[旧姓:山本])