《福音》恵みのおとずれ 1999年 6月号
6月10日は何の日か知っていますか?「時の記念日」です。ご一緒に、この「時」について考えてみたいと思います。1分間は60秒、1時間は3600秒、1日は24時間、そして1年は365日。あなたの人生は、毎日の時間がどう使われているでしょうか。
聖書には次のように記されています。
「天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある。」
私たちのすべての歩みのなかに神の時があり、神様が私たちの人生を導いておられるのです。人生にはいろいろなことが起こるものです。よかれと思って真面目に取り組んでも、その結果、人に裏切られたり、物事が裏目にでたりする場合もあります。また、いろいろ計画してもその通りにはならないことも多いし、否、明日のことさえも解らないのが人生ですね。
旧約聖書の創世記の中に、ヨセフという人のことが書いてあります。彼は、兄たちが自分に対して頭をさげてお辞儀をする夢を見ました。それを兄たちに話したところ、彼らは怒り、ヨセフを殺そうとしました。どうにか死を逃れましたが、彼はエジプトの役人の家に奴隷として売られてしまいました。ヨセフは、そこで一生懸命に働いたので、その家のものをすべて管理することのできる責任を与えられるまでになりました。しかし、主人の奧さんの誘惑を拒否したことから、彼女に恨まれ、彼は監獄に入れられました。その後、ヨセフはエジプトの王の夢を解き明かす機会を与えられました。そのヨセフの解き明かしにより、エジプトは飢饉を乗り越えることができました。ヨセフはエジプトの宰相となりました。故郷から、兄たちが穀物を買うためにやって来て、今や宰相となったヨセフにそうとは知らずにお辞儀をしたのでした。ヨセフが初めに見た夢のとおりとなりました。
ここにいたるまで彼は、真面目に一生懸命やってきましたが、いわばついていないかのような人生に思われました。しかし、聖書には「主がヨセフと共におられた」と記しており、神様はヨセフの人生に目的を持っておられたのがわかります。
あなたの毎日の歩みの中にも神様は共におられます。どんな時があろうとも自暴自棄になったりしないで、その時その時を大切にして毎日を過ごしてください。神様は必ずあなたの人生に勝利を与えてくださいます。「時の記念日」にあたり、あなたの毎日の生活に神様が与えてくださる愛と恵みの「時」を刻んでみてはいかがでしょうか。
文・森田 聰