《福音》恵みのおとずれ 1995年 3月号

 進学、就職のシーズンを迎えています。この春、希望の学校に合格した人や、そうでなかった人、また気に入った会社に決まった人や、そうでなかった人などさまざまだと思います。だれしもが良い学校や良い職場に入りたいものです。


 入れる側でも、できるだけまじめな人、評判の良い人、成績の良い人を選びます。不まじめな人、評判の悪い人、成績の悪い人、お金をごまかす人を選ぶ人はいないのではないでしょうか。

 イエス・キリストは12人をはじめ、多くの弟子を持っておりました。イエス様はご自分の弟子を選ぶにあたり、どのような人を選んだのでしょうか。評判の悪い人、お金をごまかす人、学歴の無い人などを選ばれたのです。たとえばイエス様の第一の弟子のペテロ、ヤコブやヨハネは学歴の無い漁師でした。マタイは取税人でした。取税人というのは、当時お金をごまかす人という代名詞のように言われた人で、お金を不正に取り立て、私腹をこやしていた人です。

「取税人や罪人たちも大ぜい、イエスや弟子たちと一緒に食についていた。こういう人たちが大ぜいいて、イエスに従っていたのである。わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招くために来たのです。」(聖書)

 大切な仕事をまかせる場合、不まじめな人、お金をごまかす人、学歴のない人、評判の悪い人などをだれが選ぶでしょうか。しかしイエス様はそのような人を選び御自分の弟子とし、新しく造り変えて、清くし、立ち直らせ神様のすばらしい働きをする集団へと導いていったのです。その集団は、今もなおその働きを続けているキリスト教会なのです。

 この春、あなたはどこの学校に行くことになったのでしょうか。どんな会社に就職したでしょうか。またどんな集団に属しているでしょうか。たとえどのようなところにいたとしても、イエス様がいつもいてくださるキリスト教会へ行っていただきたいと思います。なおこの教会は昔と変ることなく今も、全世界に向って、真実と愛といのちと喜びを人々に与える働きをしているのです。しかも、この集団には評判の悪い人でも、お金をごまかすような人でも、学歴のない人であっても、だれでも入ることができます。そこでイエス様にお会いし、清い者、真実な者、有益な者へと変えられていくのです。

 この集団であるキリスト教会にあなたも行くことができるのです。

文・福森光敏