《福音》恵みのおとずれ 1999年 5月号

〈思春期の子を持つお母さんへ〉
 少年犯罪、非行、覚醒剤、援助交際、性の乱れ、いじめ、不登校、校内暴力、家庭内暴力、自殺、殺人等々の低年齢化、日常化の問題が、毎日の新聞紙上をにぎわしています。そんな記事を読む時、同じ世代の子どもを持つ親として私の心は痛みます。私たちは、親としてそんなわが子の為に何が出来るでしょうか?
 今月は「母の日」に寄せて、特に思春期の子を持つお母さんの役割について、共に考えてみましょう。お母さんは子どもにとって、最も深い絆で結ばれ、最も大きな影響力を持つ存在です。

〈母の涙〉
 今日、多くのお母さんたちが、思春期の子どもの問題で、心痛め、悩みと苦しみの中、涙しています。しかし、お母さん大丈夫です!
 「涙の子は滅びない!」
 恐ろしい罪と堕落と滅びの道を転がり落ちて行くわが子の為にひたすら神の前に涙し、心注ぎ出してとりなし祈り続けたひとりの母親に語られた約束の言葉でした。そしてこの母モニカの涙の祈りを通してあの偉大な聖人アウグスチヌスが生まれました。
 私はこれまで、人の前に流す涙ではなくまことの神の前に流す母の涙の祈りを通しての沢山の奇跡を見てきました。

との一節が聖書にあります。キリストはそのようなお方です。

〈母の愛〉
 どんな人でも、自分が愛されている、必要とされていることがわかる時、大きな励ましを受け、前に向かって生きる勇気と力が与えられます。
 世間の人々が皆、また本人でさえも愛想を尽かし、見捨てたとしても、決して見捨てない神と母の愛があるならばあなたの子は大丈夫です。
 聖書は「愛」について

と教えます。神は私たちの救いのために、ご自分のひとり子さえ惜しまずに、十字架にかけてくださったのです。このような大きな愛、素晴らしい愛があるでしょうか。先ずお母さんであるあなたがこの「神の愛」を体験することです。

文・下道 定身