《福音》恵みのおとずれ 1993年 4月号

私たちは変化の激しい時代に生きています。第2次世界大戦で敗戦を経験した日本は、米国の保護のもと、日本人の勤勉さと教育に対する熱心さで、今日経済大国と呼ばれるまでになりました。今では大変豊かな国になりましたが、私たち国民の心も豊かになったでしょうか。
日本の教育は世界的にも認められており、すばらしい人材を世に送り出してまいりました。しかし他の人との競争意識で動機づけられた教育は、いつも他の人を気にしてしまう人間を作り出し、一定のレベルに達した人は、エリート意識をもち、落ちこぼれた人は、劣等感をもってしまうことになります。

最近「子ども主体の教育」や「個性を尊重した教育」と叫ばれており、子供たちの主体的な学習生活ができるように努力されている教師も多いように思われます。その反面、たてまえは個性を尊重し子供を主体的に育てたいと願っても、本音はやはり今の世の中では、人よりも上にならなければならないと家庭教師をつけたり、塾に通わせたりしている親も少なくありません。もちろん本人がそういう人生を歩みたいと願っているのならば良いのですが、もし親からのおしつけだとするならば問題はないのでしょうか。教育は人の幸福のために行われるものであり、人を苦しませ、不幸に追いやるならば、何のための教育なのでしょうか。

神様は人間を一人一人個性的に創造され、そのままの私たちを愛して下さいました。私たちが何かできるとか、よい地位にいるから神に愛され祝福されるのではありません。あなたの存在そのものに価値があるのです。聖書の中で神様は
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」(イザヤ43章4節)
と語っておられます。
他の人のようになろうと思う必要はありません。他の人と比べる必要もありません。ありのままのあなたを神様は愛していてくださいます。「自分はだめな人間だ、良いことをしたくとも出来ないし、何をしても悪い結果になってしまう。」と思っているあなた。ご安心ください。イエス様はあなたのために十字架にかかり、救いの道を開いて下さいました。劣等感で悩んでおられるあなた。イエス様があなたを愛しておられます。順調にやってきたが、今人生に疲れを感じておられるあなた。イエス様があなたを休ませてくださいます。
あなたに命を与えてくださっている神様を知るときに、教育も仕事も家庭も人生もすばらしいものになるでしょう。
いろいろな価値観があふれている今、足を止め、考えてみては?あなたはどういう人生を選びますか。神様と共に歩む人生はいかがですか。
文・三上 友通