《福音》恵みのおとずれ 1998年 1月号
「人の歩みは主(神)によって確かにされる。主はその人の道を喜ばれる。」
聖書 詩篇37章23節
私の住む市では、年に一度ツーデー・マーチという歩くラリーが開かれています。遠くは北海道や沖縄からも参加者があり、2日間でのべ2万人以上の参加者があるという盛況ぶりです。15キロから40キロまで何段階かのコースに分かれ、自分の体力や体調に合わせて選択することができます。
ベビーカーに乗った乳幼児から、80歳代の方に至るまで、実に幅広い年代構成です。白い杖をついた視覚障害者の方、車椅子に乗って介護者と共に行く方など一緒に歩く姿は壮観であり、「これが社会だな」と思わせるものがあります。その歩き方は、私たちの生き方に通じるように思います。そこで、
(1) 自分のペースを大切に
強いこと、早いこと、できることが尊ばれる競争社会に生きていると、いつのまにか誰かを意識して生きています。すると、いつの間にか自惚(うぬぼ)れたり、劣等感に陥ったりします。
神は、私たちにかけがえのない個性と能力を与えて下さっているのです。横の人の歩みに左右されず、自分のペースで歩みましょう。
(2) 周りの事にも心を留めて
(1)と矛盾するようですが、自分のペースを守ることは、人の歩みを無視することではありません。人のことを顧みない、自分の生活や立場しか考えない人は、結局は自分も他人をも不幸にします。「自分のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい。」(ピリピ2・4)という聖書の教えは、お互いが豊かに生きられる秘訣です。。
(3) ゴールをめざして
このラリーでは、約束事があって、夕方5時までにゴールに着かなければなりません。昼食をとったり、休憩を取ったり時間配分をしながら、ゴールに向かいます。ゴールがわからないまま歩き続けることは徒労です。
あなたの人生のゴールは、どこにあるのでしょうか。何に向かって歩み、あるいは走っているのでしょうか。
全人類の救い主であるイエス・キリストを信じる時、人間の目指すべき本当の幸せを見い出します。そして、確信と平安に満ちた歩みによって、真のゴールを目指せるようになるのです。
確かなゴールをめざして、倦(う)まずたゆまず、そして楽しく歩みたいものです。
文・楠橋 清隆