宗教消滅の時代に

小田島 幹彦 (事務局長・篠原教会)

「神の御前(みまえ)で、また、生きている人と死んだ人とをさばかれるキリスト・イエスの御前で、その現れとその御国(みくに)を思って、私はおごそかに命じます。みことばを宣(の)べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。寛容を尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい。」
Ⅱテモテ4章1、2節

日本の教会は低迷を続けている。しかし、これはキリスト教界だけのことではないらしい。
最近発行された「宗教消滅」(島田裕巳著 SB新書)の本の中には、新宗教が軒並み衰退の道をたどっていることが記されている。高度経済成長期には、地方から都会に集まる若者たちを新宗教が吸収して、肥大化した。この時期にはキリスト教会にも多くの人たちが導かれた。

しかし、経済成長の時代が終わりを告げると、次第に宗教は減少に転じる。オウム事件をきっかけに宗教に対するマイナスイメージが重なり、社会自体が宗教を敬遠するようになった。伝統的な仏教はもっと深刻だ。地方の寺は後継者問題、檀家(だんか)の減少で存続の危機を迎えている。

キリスト教会も最近、教会に導かれる人が減少し、地方では教会の閉鎖も増えてきた。先進国のキリスト教会は軒並み世俗化と形骸化(けいがいか)により宣教力を失いつつある。ヨーロッパではイスラム化が進み、教会堂が買い取られ、モスクとして利用されているとも聞く。

このような状況の中で今年9月、第6回「日本伝道会議」が神戸コンベンションセンターで開催される。テーマは「再生へのRe-VISION〜福音・世界・可能性〜」。この宗教消滅の時代、終末の様相を色濃くしている今、生き残りをかけて教会再生と日本の福音化、世界宣教に取り組まなければならない。

昨年のJAG総会で、2016年のJAGの標語を「御霊(みたま)による輪 愛の広がり〜力を受け、宣べ伝える」と決定した。聖霊教団である我々は、時が良くても悪くても、御霊に満たされて「みことばを宣べ伝えなさい。」というおごそかな命令に応答していきたい。

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