「福音を宣べ伝えなさい」
 教師検定委員長 高橋 正人 (鎌倉大船キリスト教会) 

 「伝道」というテーマで執筆の機会を賜りました。いつの時代も伝道の目的は変わりません。それは、すでに救いをいただいた私たちが、喜んで「神様の愛と、イエス・キリストによる救いの福音を人々に伝え、分かち合うこと」です。

 一方で、そのための手段や方法は、時代ごとのコミュニケーション技術とともに柔軟に変化してきました。インターネットによる礼拝のライブ配信や聖書アプリ、SNSでの発信は、今や日常の風景です。さらに近年目覚ましく発展している生成AIは、文章の作成から悩み相談までこなし、まるで人に取って代わるかのような進化を遂げています。福音を届けるツールとして、こうした技術を吟味しつつ前向きに活かすことは大切ですし、これからの働きを大いに助けてくれるでしょう。

 しかし、どれほど技術が進化しても、人と人との「生きた交わり」や、そこに生きる「存在そのもの」をAIに置き換えることはできません。

 私事ですが、以前、定期的に通院していた病院での出来事を思い出します。担当の看護師さんが私の住所に目を留められたことから、ちょっとした会話が生まれるようになりました。私自身は一人の患者にすぎず、特別に福音を語ったり、熱心に伝道したりしたわけではありません。しかし、それから半年ほど経った頃、その看護師さんから「教会の集会に参加してもよろしいでしょうか」と尋ねられ、やがてご夫婦で礼拝に足を運んでくださったのです。

 この小さな経験を通して改めて教えられたのは、私が一人のクリスチャンとして そこにいるという「存在そのもの」が、神様によって用いられ、彼らを主の御前へと導くきっかけになったということでした。皆さんも 日常のふとした場面で、同じような体験をされたことが おありのことでしょう。

 主イエスは、私たちを「世の光」「地の塩」と呼んでくださいました。最新のツールや新しい手段を大いに活用しながらも、最終的にキリストの救いを世に伝えるのは、神様の愛を受けて生きる「私たち一人ひとりの存在」です。いかなる時代にあっても、日々の歩みを通して主の救いが宣べ伝えられていくことを共におぼえてまいりましょう。

 主が、皆さんをこれからも祝福し、その存在そのものを大いに用いてくださいますように。

それから、イエスは彼らに言われた。「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。」
(マルコの福音書 16章15節 聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会)

それから、イエスは彼らに言われた。「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。」
(マルコの福音書 16章15節 聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会)



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