とこしえの道に

稲葉 隆子 (小矢部キリスト教会)

 「神よ。私を探り、私の心を知ってください。私を調べ、私の思い煩いを知ってください。私のうちに傷のついた道があるか、ないかを見て、私をとこしえの道に導いてください。」(詩篇139・23-24)

2011年1月16 日。私は突然、思いも掛けない健康状態に陥りました。病名は外傷後ストレス障害、いわゆるPTSDでした。フラッシュバックが起こり、心の痛みは身体的な痛みへと変わり、6月中旬には朝の起床さえ苦痛となり、ついには困難になりました。

-私の信仰生活が27年目を迎える頃、実質が掴(つか)み切れないと感じるみことば-「わたしが来たのは、羊がいのちを得、またそれを豊かに持つためです。」(ヨハネ10・10) がありました。救いの確信はありましたが、その「豊かないのち」に届かない「傷」があると、漠然と感じていたのです。

救われた喜びと感謝で教会奉仕と宣教を邁進(まいしん)して来ました。故マクレン宣教師の燃え上がる情熱に付いてがむしゃらに走るような日々でした。やがて燃え尽き症候群に。「主よ。もう十分です。」(I列王19・4) というホレブ山でのエリヤの言葉に共感を覚えました。

真実な神様は私の深みからの叫びを聴いておられました。エリヤに御使(みつかいを遣わしてパン菓子と水を備えられたように、神様は私に休養と治療を備えられました。-

「神様のなさることは、すべて時にかなって美しい」(伝道3・11)。神様は2人の精神科医であり牧師である主治医を備えられました。ひとりはカウンセリングを通して私の人生を探ってくださり、もうひとりは薬物療法とみことばを投与してくださったのです。

聖書を丁寧に読む時間と、親子として親しく語り合う祈りの日々。更に、多くの背後の祈りを実感させてくださいました。昨年の1月15日の診察を以って治療終了となりました。

この体験を通して、福音の再理解が与えられ、「傷のついた道」を直視する力と認める素直さ、癒(いや)しと解放を得ました。長い3年間でしたが、神様の真実さと圧倒的な愛を全身で味わった年月でもありました。

神様は、何度でも再生し、やり直させてくださるお方です。どんな小さな傷さえも見逃すことなく癒し、「とこしえの道」に伴ってくださるお方です。

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