祈りのコラム (46)

「真実な神」   

「わたしたちは不真実であっても、彼は常に真実である。」(2テモテ2:13)
 
 1983年、私たちはとらの子の旧会堂用地を売却して新しい会堂用地を八王子市内に物色していた。1億5千万円という大金を銀行に預金したままの土地探しだった。

月刊アッセンブリーNEWS
1994年12月号掲載

月刊アッセンブリーNEWS 1989-1999に連載された「祈りのコラム」からいくつかピックアップして掲載。
あなたの祈りの生活に励ましを与える小品集です。

「真実な神」

 ある事情があって売却が先行し、礼拝は古家を一時的に借りて行なっていたのである。2ケ月ほど苦心して探したが、確信のもてる物件がなく、責任を負う私の心はあせり、売ったことを非難する声も聞こえて来て、精神的にかなり参っていた。

 私は、信頼していた不動産業のシニセである市内の堤不動の専務のところへ行き、思い切って小さな紙切れをお渡しした。その紙片には、
 1.旧土地の2倍以上の広さ。
 2.メインの道路からひとすじ入ったところであること。
 3.近所に緑地又は公園があること。
 4.小高いところならなお良い。
 と、私たちの願いを書いてあった。

 専務はそれを見て笑った。
「こんなうまいところ、ある筈がないじゃありませんか。」
「でも、私は祈ります…。専務のためにもです。まず、いま手を置いて祈らせてくださいますか。」
 そう言う私の前に、ソファに坐っていた専務が素直にこうべを垂れて祈りをうながすではないか。私は感動して、専務の頭に手を置いて祈った。

 一週間後、専務から電話がかかった。
「先生出ましたよ。これは奇蹟ですよ。」
かくて祈りは聞かれたのである。

 現在のめじろ台新会堂は万葉公園という植物公園の脇にあり、暴走族のけたたましい騒音から一筋外れた道に面しており、広さは2倍である。

 そして、主は真実なお方であると笑わせてくださっている最も驚くべきことは、「小高いところならなお良い」という中途半端な祈りにも忠実に答えてくださって、新会堂は、南側はめじろ台駅に続く平地だが、北側から近づくと小高い丘の上にあるという事実である。主は私の不真実と不徹底を、ユーモアたっぷりに笑っておられる。

《執筆者》

上原 和雄

八王子キリスト教会
(現在は、すわシオンキリスト教会に転任)