礼拝の中の賛美(8)

細井 眞  Makoto Hosoi(十条基督教会)

2001年1月1日発行 第544号

 海外、特にアメリカの教会ではPraise & Worship(賛美礼拝)を導くのは、Worship Leader(ワーシップ・リーダー、礼拝を導く者)で、それは、主に Music Pastor (音楽担当牧師)の役目です。

 私たちの間ではワーシップ・リーダーの他にソング・リーダーという言葉も聞きます。これは賛美の歌を導く者という意味です。私はこの役割は日本において重要であると考えています。

 本来の意味からすると、ワーシップ・リーダーは賛美の歌がよく歌える人で、しかも、霊的に会衆を恵みの高嶺へ引っ張っていくことのできる人です。しかし、日本では音楽担当牧師はいませんし、信徒で歌がよく歌えて、しかも、霊的に人々をよく導けるという人はあまりいません。その人が講壇の上に立っていると、それだけで恵まれるという人もいれば、祈り始めると、人々がその祈りに引き寄せられて恵みを受けるという人もいます。また、みんなと同じように歌を歌っているのにその人が歌うと何か引き寄せられるものがあるという人もいます。これらは性格、タラント、信仰、祈りや歌の訓練を受けてきたかどうかで大きく違ってきます。このようなことを踏まえて、それぞれの役割を分担していきます。

 ソング・リーダーのサポートを得て、賛美礼拝をする時のワーシップ・リーダーの具体的役割を考えてみましょう。賛美の歌を歌い出す前に短く(一言二言、長くても1分未満)会衆の心が主に向かっていくように語りかけます。次に歌いだすようソング・リーダーに促します。賛美の歌を歌っている問、その場で一緒に歌いますが、適宜、信仰的な言葉「ハレルヤ」「主よ感謝します」などと声をかけて会衆を励まします。前もって、どのように、何回歌うか決めておいてもよいと思いますが、できれば、その都度指示を出して会衆を導くようにした方が良いでしょう。
 
 指示は、ことばと合図(サイン)で行います。指示することは、はじめから歌う。コーラスから歌う。二番を歌う。最後の部分だけを歌う。転調する(半音または一音高くして歌う)。テンポを変える。Rit.する(リット・曲の最後をゆっくりする)。次の曲に行く。小さい音にする、大きい音にする、賛美の歌の後、賛美に入る(声をあげて主をほめたたえる。感謝する)。礼拝の歌の後、礼拝に入る(静かに主に礼拝を捧げる、あるいは霊の歌を歌う)などです。なお、賛美の時と礼拝の時の奏楽をどのようにすべきか、前もって打ち合わせしましょう。たとえば、賛美していた曲を流すのか、賛美していた曲のコード(主和音と下属和音、ハ長調ならドミソとファラド)を2小節づつ循環させて流すとかです。

 ワーシップ・リーダーは賛美と礼拝の時に、声を出して力強く主ご自身を求め、主の臨在に対する情熱をあらわすことを通して、会衆を導きましょう。