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学生と先生の対話でわかりやすい ♪
もう一度、聖霊について
-「重要な教理を確認する」-
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ついに教理の歴史ガイドも最終回ですね。今までありがとうございました。
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最後は、もう一度聖霊に関することを取り上げよう。聖霊に関する教えはアッセンブリー教団にとって重要だからね。最初は「フィリオクェ」だ。
2008年12月1日発行 通巻639号
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野口 一郎(大津キリスト教会牧師)
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フィリオクェ?
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これはラテン語で「子からもまた」という意味だ。4世紀のニカイア・コンスタンティノポリス信条では「聖霊は父から出て」とある。ところが、西方教会(カトリックとプロテスタント)は「フィリオクェ」を加えて「聖霊は父と子から出て」とした。東方教会はもともとの信条どおり「父からのみ」を主張して反対した。これが東西教会分裂の一因になったんだ。
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たった一言で東西分裂ですか? 何だか情けないなあ。
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東方教会が大切にしていたのは、父が御子と聖霊を含めたすべての源、唯一の原因であるということなんだ。聖霊が父と子から出るとなると、聖霊は二つの源をもつことになる、神が唯一であることが崩れてしまうと危倶したわけだ。
一方、西方教会が「子からもまた」と考えたのは、ニカイア・コンスタンティノポリス信条では御子と聖霊の関係についてふれられていなかったからだ。父、御子、聖霊がお互いに関係していることを主張しようとしたんだ。特に、聖霊はキリストの霊であることを強調した。つまり西方教会の聖霊論はキリストとその救いに結び付いている。東方教会も聖霊とキリストとの結び付きを教えているが、同時に信仰の命に限定しない生命を与える聖霊、つまり聖霊の創造の働きを含むと言えるだろう。
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よくことばだけで無意味に思える論争を「神学論争」と呼ぶ人がいますね。でも本来の神学にはことばだけではない、もっと広い背景や他の教理との論理的結びつきがちゃんとあるんですね。教理の歴史を学んでわかってきました。
聖霊のバプテスマの教え
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もう一つ取り上げるのは異言を伴う聖霊のバプテスマの教理だ。知っているとおりアッセンブリー教団が生まれたのはこの教理があるからだね。
でも突然出てきたんではない。さかのぼると18世紀、ウェスレーから始まるメソジスト運動になるだろう。彼はいのちある霊的キリスト教を求めて「キリスト者の完全」を教えた。回心に続く第二の恵み、聖霊のバプテスマがあり、その経験によってさらにきよく生きることができると主張した。ここから生まれたホーリネス運動は聖霊のバプテスマを必須なものと教えた。
19世紀のファンダメンタリストの影響も加わる。彼らは聖霊のバプテスマを奉仕のための力が与えられる経験と教えた。さらに、世の終わりが近い現代に新約聖書の使徒時代の信仰と奇跡と聖霊の賜物が回復されることを求めたレストレーション主義の影響もあった。こういう流れの中で、異言を伴う聖霊のバプテスマの体験と教理が生まれてきたんだ。
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教理は、歴史の流れの中で受け継がれ、さらに明らかになっていくんですね。僕もしっかり受け継いで次の世代に手渡していきたいと思います。
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勉強を続けていくなら、ルイス・ベルコフ著『キリスト教教理史』(聖恵授産所出版部1993年)、棚村重行著『現代人のための教理史ガイド』(教文館2001年)を参考図書であげておこう。
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