月刊アッセンブリーNews 第737号 2017/2/1発行より
神
אֱלוהִים(エロヒム)|אֵל(エル)|אֱלָהּ(エラ)
אלוה + ים
川口神召キリスト伝道所(埼玉県)
安田 眞 Makoto Yasuda
聖書は、「神」をヘブル語の「エロヒム」という言葉から多く訳されています。この言葉は大変面白い言葉で、男性であり、女性でもあり。また、単数であり、複数でもあるのです。前回、神の名についてお話ししましたが、今回は、「神」という言葉についてお話します。
日本語に訳されている「神」という言葉にもさまざまな意味があります。広辞苑では一般的に、人間を超越した威力者、キリスト教において全地全能で宇宙を創造し支配する唯一絶対の主宰者、天皇の尊称など7項目が挙げられています。
そもそも「示、ネ」という部首は、祭儀と関係していると言われています。象形文字として神に捧げるいけにえを捧げる台、机から作られたと。また、上の「二」の字は、天地を表し、下の「小」は朝、昼、晩の時を表す日時計とも説明されています(注1)。しかし、この部首が使われることばは、祭儀などにかかわりをもっています。例えば、礼拝、祈祷、社(やしろ)、祠(ほこら)などがあります。よくある名前で「祥子」と言い、「よいこと、喜ばしいこと」の意味になりますが、旁(つくり)は「羊」ですから「神の小羊」になります。また「祐子」は、「神の助け」を意味します。旁は「右」ですから「神の右の手。ベニヤミン」ということになります。このように「神」は、旁は「申」ですから「もの申す神、神のことば」になります。
さて、ヘブル語の「エロヒム」は、合成語で男性、単数の名詞として用いられていますが、その中には、「エラ」という女性名詞の「神・女神」が見られます。ところが、その後に続く複数形の語尾は、男性形の語尾変化になります。最初に言いましたように、女性形の神が男性形の複数変化をしているのです。そして、名詞としては男性、単数扱いなのです。ここに三位一体の神の姿を見るとも言われています。古今東西、「神」を意味するものは、不思議を伴っていると言えます。
(注1)インターネット・知恵袋:示すへん