信徒のためのヘブル語講座 Vol.8

月刊アッセンブリーNews 第743号 2017/8/1発行より

「聞く:シャマァ」שָמַע 

 

川口神召キリスト伝道所(埼玉県)
安田 眞 Makoto Yasuda

 ユダヤ教徒に「一番大切な聖句はどこですか」と尋ねるならば、全ての人が、「シュマー(聞け)」と答えるでしょう。「シュマー」と言っただけでもその個所がどこか、全ての人々は解るはずです。もし答えられないユダヤ人がいたら、ユダヤ人とは言えません。すべてのユダヤ人は子供たちが、生まれて初めて話す言葉が「シュマー」であってほしいと願うからです。ユダヤ教徒は、夕に、朝に唱(とな)えられるべき聖句だからです。これは、子供たちによく教え込まなければならない御言葉だからです。

 その御言葉は、申命記6章4節〜9節に出てきます。「聞け」という御言葉は、この冒頭に出てくる御言葉です。この御言葉は、1174回(注1 )も使われていますが、その頻度(ひんど)を見ると、エレミヤ、イザヤ、申命記と続きます。大切なこと、重要なことを伝える時に、使われています。

 主イエスも律法の専門家から、「律法の中でたいせつな戒めはどれですか」と尋ねられた時に、申命記とレビ記の御言葉を引用した後に、「律法全体と預言者とが、この二つの戒めにかかっているのです(マタイ22・40)」と語っています。

 ヘブル語聖書で申命記6章4節を見ると、不思議な事に最初の単語「シェマー」と最後の単語「エハッド」の3文字目が大文字、太文字で書かれているのです(注2 )。 この聖句は、私たちの「証しです」と言っているのです。この二文字が「証し(エドゥ)」を意味するのです。時々、ユダヤ人のユーモアというのか、遊んで見せているようにも思えます。

 この最後の言葉を読む時は、出来るだけ、息の続く限りに長く読むことになっています。それは、「最後の単語を長く引き伸ばす者は、その齢(よわい)を長くする」と言われているからだそうです。聖書を読む時に、抑揚(よくよう)を付け、謡(うた)うように読むユダヤ教徒、早口で何を言っているのか判らないように読むユダヤ教徒がいます。

 パウロは、「信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです(ロマ10・17)」と語っています。私たちも御言葉をしっかりと聞く者となりましょう。

 

(注1) Jバイブルによる。

(注2)  *ヘブル語は、右から左に読みます。