信徒のためのヘブル語講座 Vol.11

月刊アッセンブリーNews 第750号 2018/3/1発行より

「主 יהןה 
אֲרנָֹי(アドナイ)、הָשֵם (ハシェム)」

 

川口神召キリスト伝道所(埼玉県)
安田 眞 Makoto Yasuda

 今回は「主」を取り上げることにします。新改訳聖書では、この言葉が使われているところでは、太字の「主」を使って苦心しています。これを「神聖四文字(テトラグラマトン)」と言い、読み方に異論があります。

 イスラエルでは、この単語を「アドナイ(わが主)」とか、「ハシェム(その名)」と読み替えています。それは、十戒の中に「あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱(とな)えてはならない。主は、御名をみだりに唱える者を、罰せずにはおかない(出エ20・7)」と戒いましめられているからだと言われています。ヘブル語は子音のみで記されているため「アドナイ」の母音を付けて読むと、「イェホヴァ」と読むことが出来るのです。

 創世記4章26節では、「主の御名によって」とありますが、ヘブル語では同じように「シェム ハシェム」と読むことになり、創世記15章2節では、上記の「アドナイ」と「主」が並べて記されているので、「神、主よ。」と訳されています。口語訳では「主なる神よ」、新共同訳では「わが神、主よ。」と訳されています。ヘブル語を読む時には、「アドナイ、アドナイ」となります。イスラエルでは、正統派のユダヤ人の間では、「ハシェム」と読むことが多く、大学などでは「アドナイ」と読む人の方が多かったように思います。

 この「主」という呼び名は、もともと「存在する」という単語から派生しています。その「主」を「神」と比べてみると、旧約聖書に用いられている「神」が2600回ほどに対して、「主」は6800 回を越えています。「主」という言葉が圧倒的に多く用いられているのです。この数からも「主」という呼び名が、「神」とは違ったニュアンスで用いられていたことを知ることが出来ます。

 そして、新約聖書でも「主」は用いられていますが、主イエスは、「多くの者がわたしに向かって『主よ、主よ』と口にするが、天の御国に入るのは、父のみこころを行う者だ」、「わたしはあなたを全然知らない」と語っています。私たちは、「主」を呼ぶ時にどのようなお方として口にしているのでしょうか。考えてみてはいかがですか。