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終わりについての教え(終末論)
-教理の歴史ガイド、終了間近!-
今年もあとニケ月、私たちの教理の歴史ガイドもそろそろ終着駅だよ。今回は終末論だ。
イエスさまの空中再臨、死者の復活、携挙、大患難時代、イエスさまの地上再臨、千年王国、最後の審判、新天新地。アッセンブリー教団の信仰はこうですね。
よく勉強したもんだね。でも、教理の歴史では終末論が中心的問題として議論されたことはほとんどないんだ。使徒信条、ニカイア信条、その他主な信条では共通して、キリストが再臨され、すべての人をさばき、永遠にすべてのものを治められることを告白している。
2008年11月1日発行 通巻638号
古代教会の千年王国説の変化
千年王国についてはどうですか?いろいろ違いがあると聞きましたが。
そうだね。最初の三世紀は黙示録20章を字句通り解釈して、キリストとともにクリスチャンが千年間、王となり世界を治めるという教えを信じている教父は大勢いた。 たとえばテルトゥリアヌスは「クリスチャンはこの地上において迫害で苦しんだのだから、この地上で喜びを受けるべきだ。ここで千年間治めるのだ。」と教えている。 モンタノス主義という熱狂的グループの影響もあったんだがね。彼らは当時、制度化されつつある教会を批判して「最初の教会へ戻ろう!」と叫んでいたんだ。 一方、オリゲネスのように黙示録を象徴的に解釈する人たちもいた。やがてアウグスティヌスが登場した。
またアウグスティヌスですね。
彼の時代は、迫害が収まりキリスト教がローマの国教となる時期だ。彼は教会を神の国と同一視し、今が千年王国だと教えたんだ。ローマ・カトリック教会はこの教えを公認する。
宗教改革と千年王国説
でもその後も、「やがて千年王国が来る」という未来志向の教えは何度も現れてきた。当時の不安定な社会情勢、教会に対する批判とも無関係ではない。フィオーレのヨアキムという12世紀の修道院長もそのひとりだ。彼の終末論は教会改革の願いともつながりがある。
ルターやカルヴァンはどう考えていたんですか?
彼らも基本的にはアウグスティヌスの立場を受け継いだ。ルター派のアウグスブルク信仰告白は千年王国的な考えを否定している。これにはトマス・ミュンツァーなど宗教改革急進派の千年王国説に対する反発もあっただろう。ミュンツァーは強烈な終末意識を持ち、当時のローマ・カトリック教会を痛烈に批判し、農民を率いて人間の力で改革を断行し千年王国を作り出そうとした。ついには農民戦争にまで及び失敗に終わる。
ペンテコステ運動と終末論
アッセンブリー教団の信仰はキリストの再臨の後に千年王国があるというものだ。
そもそもペンテコステ運動にとって終末論は大事だ。「イエスさまはもうすぐ来られる」という緊迫感を持って、再臨をさらに早めるために何よりも福音を伝えなければならない、というのがペンテコステ運動の初期の特徴だったんだ。異言を伴う聖霊のバプテスマも世界宣教のためなんだ。終末論を正しく深く理解するなら宣教力UPになるんだ。
統一協会やェホバの証人を脱会した人たちは必ず終末論について質問してくるんですよ。これからも勉強します。