「涙をもって種まく者は…」
仙台から車で40分、山形にむかう途中に川崎町がある。
釜房ダムから蔵王をながめる景色は大変美しい。人口おおよそ一万人ほどの町に川崎伝道所がある。かつて天理教など神道系宗教を信仰していたグループの指導者が、十数年前、突然、キリスト教に改宗した。その後関西から韓国系の伝道師が派遣され、教会形成がなされていったが、聖書の基本的な学びのない彼らには、韓国式のやり方について行けず、伝道師を断った。無牧になった彼らは、仙台で礼拝を守るようになった。
月刊アッセンブリーNEWS
1993年12月号掲載
月刊アッセンブリーNEWS 1989-1999に連載された「祈りのコラム」からいくつかピックアップして掲載。
あなたの祈りの生活に励ましを与える小品集です。
「涙をもって種まく者は…」
また、月に一回、川崎で礼拝を行うようになった。ちょうどそのようなときに、私たちが転任で仙台に来るようになったのである。ところがその時から彼らがピッタリと来なくなった。それは、以前、関西のやり方に対して苦い経験をしていた彼らに、関西からの牧師と聞いて大変心配したのであろう。「私たちが来て欲しいと言うまで、来ないでくれ」と言うことであった。私たちはこのことを知ったとき、霊的な戦いを感じ、サタンが川崎の群れを妨害していることにすぐ気づいた。
毎朝、サタンを縛る祈りが続いた。それから二カ月が経った時、川崎のリーダーが教会に来られ、一度、川崎に来て欲しいと言うことであった。しかし、その時も、献金のこと洗礼についてなど話さないようにとクギをさされた。
この川崎伝道所はこれまで東北の諸教会から祈られて来た場所である。今年は史上まれなる冷害のために大変な凶作であった。しかし、魂の収穫はそうではなかった。 神はこれまでの涙の祈りに答えられ、一人の子供の奇跡的ないやしを通して、川崎の魂を揺り動かし、三ヵ月間に27名の受洗者が起こされた。そして、毎週、礼拝と聖書研究祈祷会が行われ、什一献金、席上献金など喜んでささげられるようになった。 一体、誰がこのようなことを期待できたであろうか。これはまさに神の働きでしかありません。今も主は生きておられ、私たちの祈りに答えて下さるお方です。
《執筆者》
川上 良明
仙台神召キリスト教会